◆請負契約の印紙税額を判断する為のポイントとなる点は?

 請負契約の収入印紙税に関しては、「印紙税法」によって課税文書、非課税文書の判断の基準が定められております。

 基本的な判断基準としては文書に記載される文言によって

★課税文書の扱いとなるのか?
★非課税文書の扱いとなるのか?

 が異なってくる点が最大のポイントであり請負契約書がどの号式の文書として判別すべきかの基準を把握しておくことが大切です。

 号式によっては、印紙税額そのものの金額も異なってくるため、請負契約の印紙税額を把握するためにはまず各課税文書の号式と文言の特徴からどのように判断していくのか?という判断基準に関する経験を積むことがポイントとなります。

 但し、請負契約書の課税文書の扱いに関してはややわかりにくい部分も多いため最終的な判断は近隣の税務署に確認をとってみるとよいでしょう。

◆委任契約・派遣契約の印紙税について

 委任契約や派遣契約は請負契約の基本となる契約種別です。

 派遣業がここまで世の中に浸透した現在では派遣契約に関わる契約書面を実際に目にされた経験が有る方も多いのではないでしょうか?

 委任契約・派遣契約などに代表される課税文書は、印紙税法上は原則として「継続的な契約」としての契約種別として判断されるため、課税文書として扱うことが基本です。

 尚、印紙税法上の扱いとしては、基本的に「7号文書」としての扱いとなるケースが大半であることをまずは覚えておきましょう。

 この委任契約・派遣契約の最大の特徴は、「契約期間の設定」が記載されている点にあります。

 派遣契約は契約となる期間が明確に定められており、一定期間を過ぎると契約の効力は原則として終了します。

 仮に6ヶ月の契約であれば6ヶ月間の契約満了時までに契約の効力が終了するという扱いです。

 しかし、双方が契約の延長を望む場合に関しては契約の延長を行なう新たな契約を交わすことになります。

◆請負契約の7号文書の契約書面に記載される文言の規定について

 委任契約や派遣契約が7号文書として扱われている理由についても確認しておきましょう。

 まず7号文書とはどのような文書であるのか?またどのようなケースが7号文書に該当するのか?

 という基本的な特徴を把握しておくことが大切になります。

 7号文書の規定としては

★明確な期日の記載
★特定の相手との契約である文言

 が記載されている事が条件となっております。

 これらの条件を記載している委任契約・派遣契約に関しては7号文書として判断されている理由がわかります。

◆印紙税額の判断基準の実態について

 課税文書を作成する場合、作成した文書が本当に課税文書に該当するかどうか?

 という判断が難しいケースが実際には多くあります。

 また、仮に作成した文書が課税文書と判断されたとした場合に、その文書は何号文書に属するのかについても判断に迷う事もあります。

 このように、自分が課税文書になりうる文書を作成する場合に、印紙の判断に迷う場合は「管轄エリアの税務署」に相談するのが最も安全であり確かなパターンです。

 この際、必ず抑えておくべきポイントは、相談した税務署員の名前です。

 これは、残念ながら、各税務署によって判断が異なるケースや、場合によっては同一の税務署内であっても、税務署員によって判断が異なるケースが存在する為です。

 この際、相談した税務署員の名前まで控えておけば、後で何かしらの調査などがあっても「~税務署の~様に相談し、この文書と判断されました」と税務署を既に通し確認を得ている事を明確にする事が出来ます。

 税務署員でも判断が異なるほど、課税文書の扱いの実態は不明確要素が多いものでもある点を忘れてはいけません。

◆印紙税法上の7号文書の印紙税額について

 委任契約・派遣契約などの契約書面で、書面に特定条件の記載がなされているケースでは7号文書として扱う点は前項で解説したとおりです。

 尚、印紙税法上、7号文書に類する書面に納付する印紙税額は「4000円」と定められております。

 これは、契約金額の如何を問わず、一律4000円という規定です。

 ですから、7号文書としての課税文書を作成する場合は、印紙税額については簡単に覚える事ができます。

※7号文書の印紙税額は4000円

◆請負契約期間が3ヶ月未満のケースについて

 7号文書としての課税文書を作成する場合の契約書面の契約内容において「契約期間が3ヶ月未満」のケースとしては、継続的な契約としての条件から外れる事となります。

 この3ヶ月に満たないケースに関しては、7号文書の文言が記載されている文書であっても「非課税文書」となります。

 非課税文書と分類される以上は当然、印紙税が無税になるため、収入印紙を購入する前に契約期間の確認をすることは大変重要です。

 もし誤って3ヶ月未満の契約期間の請負契約書に収入印紙を貼ってしまった場合も申告しない限り戻ってはこないので必要以上の納税は一切しない事も大切です。

 人材派遣などの登録制の派遣契約では、契約期間が3ヶ月以内に設定されている業種が大半です。

 契約満了時には再度延長手続きを行なうかどうかが雇い主である企業側から判断されますが延長を希望する場合は延長時に再度◯ヶ月の契約という契約期間を定めた請負契約を行なうことになります。

◆建設工事請負契約書の印紙税の扱いは2号文書が基本

 請負契約書の中で最も作成される文書のひとつが建築工事請負契約書でしょう。

 建築工事請負契約書は、個人の家を注文建築する際や、「国からの事業の受注」などで、その契約内容に関する文言を記載した契約書面です。

 尚、建築工事請負契約書は印紙税法上、基本的に2号文書としての扱いとなっております。

 建築に関わる請負契約に関しては請負契約の金額も桁が変わり大きな金額となり、億単位の契約が行われるのも日常茶飯事です。

 特に国が建設を発注する事業は数十億単位の事業にもなるケースが多く、印紙税額の単位も大きくなるのが特徴です。

◆工事請負契約書の請負契約の軽減措置の適用について

 建築工事請負契約書の請負契約の金額が億単位になるケースについて確認しておきましょう。

 例えば国家のプロジェクトによる

★公共事業
★開発計画による開発事業

 などの受注などのケースでは金額が億単位から数十億単位になるケースも多いものです。

 そうなれば、納付する印紙税額も相当な金額になるケースが多くなります。

 毎年のように談合問題が話題にのぼる大手ゼネコンや大手企業が落札する案件などは、その代表格と言えるでしょう。

 尚、これらの工事請負契約書に関しては印紙税の軽減措置が設けられております。

 以下に印紙税の軽減措置に関する条件をまとめておきますので確認しておきましょう。

【請負契約に関する印紙税の軽減措置】
★平成25年3月31日までに作成された課税文書であること
★請負に関する契約書面であること
★請負金額が1千万円を超える請負契約であること

◆工事請負契約の印紙税額表について

 工事請負契約に関する2号文書の印紙税に関しては前項で解説した通り、「一定の条件内」の場合は軽減措置が設けられております。

 金額が大きくなる工事請負契約の場合は、必ずこの軽減措置を把握しておく事が重要です。

 工事請負契約に関する印紙税額について印紙税法上に定められている印紙税額表を以下にまとめておきます。

 建築関係の方や将来的に建築に関わる仕事につく方は覚えておくべき数字とも言えるでしょう。

建設工事請負契約(2号文書)の印紙税軽減税率一覧表
工事請負契約の金額 本則 軽減税率適用後
1千万円超~5千万円未満 20,000円 15,000円
5千万円超~1億円未満 60,000円 45,000円
1億円超~5億円未満 100,000円 80,000円
5億円超~10億円未満 200,000円 180,000円
10億円超~50億円未満 400,000円 360,000円
50億円超~ 600,000円 540,000円